2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大平 祐一 立命館大学, 法学部, 教授 (00102161)
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Keywords | 刑事手続 / 取調 / 自白 / 事実認定 / 刑事司法 / 拷問 / 与力 |
Research Abstract |
本研究では、江戸幕府刑事司法における捜査・犯罪事実の認定手続に焦点をあてて、江戸幕府刑事手続の積極面を解明するとともに、その積極面のなかに同時に問題点がはらまれていたことを明らかにすること、そして、そのことにより刑事手続の積極面がいかなる内的関連をもって問題点を生み出したのかを明らかにすることを目的としたものである。そのことを論証するためには、刑事手続に関する史料の収集が決定的に重要になる。そのため、研究の第一年度である本年度は、史料調査・収集に重点を置いた。未刊史料の調査収集という点では、中央裁判機関関係の史料、地方裁判機関関係の史料について、それぞれ一定の古文書(裁判取調・刑の擬律等に関する史料)を複写し、入手することができた(東京大学、東北大学、九州大学所蔵史料)。既刊史料の調査・収集については、江戸幕府刑事判例集のなかでの基本的判例集ともいうべき『御仕置例類集』(江戸幕府評定所編纂)全16冊を入手することができた。未刊・既刊の史料収集については一定の前進が見られたといってよい。しかし、必ずしも十全とはいえない。既刊・既刊史料に中には、村方、町方の刑事手続きについて詳細に記録したものもあるのでは無かろうかと思われるので、次年度に若干の補充調査を試みたいと思っている。収集した史料の解読・分析については当初予定していたほど十分な進展を見ることができなかった。特に未刊史料(古文書)の解読作業は難航し、なかなかはかどらなかった。次年度の大きな課題といえよう。
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