2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530017
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
君塚 正臣 Yokohama National University, 大学院・国際社会科学研究科, 教授 (80266379)
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Keywords | 家族 / ジェンダー / 社会権 / 生存権 / 労働基本権 / 教育を受ける権利 |
Research Abstract |
小田八重子=水野紀子編『現代家族法実務大系第1巻-親族I』(平成20年1月)に、「家族法におけるジェンダーの視点」という論稿を寄せた。「近代家族」が所与のものではなく、一種のイデオロギーとして選択されてきたこと、日本国憲法24条の解釈からそれが当然のものではないこと、それが日本の労働・教育などの政策にも大いに影響を与えるであろうことなどを指摘した。 研究代表者は佐藤幸治先生(京都大学名誉教授)古稀記念論文集執筆において、二重の基準論そのものを検討し、生存権的基本権の司法審査の在り方もこの中で触れるような必要性を感じるに至った。学界の通説が、精神的自由の内容中立規制や経済的自由の消極目的規制、生存権的基本権規制などを中心に、中間審査基準(厳格な合理性の基準)を多用することに対して疑問を投げかけるものである。本稿は平成18年度中に完成されているが、公刊は平成20年度中の見込みである。 また、ジュリスト1354号『平成19年度重要判例解説』に判例研究を執筆したが、これは社会権の審査基準の論点を含むものである(掲載誌の性格上、本研究費の成果であることは明記せず)。 平成19年度は、当該研究に必要な文献・資料の収集、及びその検討を、前年度に引き続いて行った。横浜国立大学図書館等にない図書については積極的に購入し、雑誌文献については複写請求を行った。勿論、2001-2002年度に貴会科研費奨励研究(A)・若手研究(B)「『家族』の憲法学的研究」やそれ以外の研究費によって購入した図書、個人的に所有する図書等は、十分に活用した。
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