2007 Fiscal Year Final Research Report Summary
会社法改正が現行課税規定に与える影響とあるべき企業課税に関する理論的研究
Project/Area Number |
17530022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡辺 徹也 Kyushu University, 大学院・法学研究院, 教授 (10273393)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Keywords | 法人税法 / 会社法 / 税法 / 組織再編税制 / アメリカ法 / 三角合併 / 対価の柔軟化 / 剰余金の分配 |
Research Abstract |
研究計画を遂行して、特に論点と感じられたのは、まず剰余金の分配であり、次に対価の柔軟化の問題であった。 会社法上、従来の有償減資は、「資本の減少+剰余金の配当」という二つの取引に分解された。そのため、後半部分の剰余金の配当を、会社法が配当としているからという理由で、これまで通り税法上も配当とするのか否かが問題となる。このような問題は、有償減資に限らず、あらゆる会社法上の「剰余金の分配」を税法上どう扱うかということに関連している。 立法論としては、(1)配当とする、(2)有償減資の場合のような「純資産に基づく按分的な課税」とする、(3)資金の出所については法人の処理に任せて、それに応じて課税する(例えば、法人が資本金を取り崩し、それを剰余金の配当原資とした処理を行った場合は、課税しない等)、(4)法人に利益準備金が存する限り配当とする、といったものが考えられる。 平成18年度改正税法は、結局(2)を採用した。これは、会社法とは一応無関係に、税法独自の配当概念を作り上げることにつながる改正である。しかし、改正法は、配当と実質的には等しい経済的効果を持つ「比例的分配」について、配当課税を貫徹できないなどの問題を包含している。 対価の柔軟化については、平成19年度改正法により、親会社株式を対価とする三角型の組織再編成(三角合併等)について、一定の要件を満たした場合に、課税繰り延べが認められることとなった。これについては、アメリカ法からの示唆を前提とするならば、税法のルールが会社法に依拠する必要性を否定はしないものの、それに盲目的に従属するのではなく、常に税法の視点から取引を捉え、課税上の扱いを検討していく必要があると思われる。
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Research Products
(15 results)