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2005 Fiscal Year Annual Research Report

国際司法裁判所の合法性審査機能の発展とその法的位置づけ

Research Project

Project/Area Number 17530036
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKinki University

Principal Investigator

杉原 高嶺  近畿大学, 法科大学院, 教授 (30004154)

Keywords国際司法裁判所 / 安保理決定 / 合法性の審査 / 司法審査 / 国連憲章との適合性 / 勧告的意見 / ロッカビー事件
Research Abstract

本研究は、国際司法裁判所(ICJ)の近年における新たな機能、すなわち、伝統的な国家間紛争の解決とは別に、国際機構(特に国際連合)やその加盟国がとった行動ないし決定の国際法上の合法性(legality)の審査という新しい役割が、どのような経過で、またどのような法形態でこれが求められ、実行されているか、を分析することを目的としている。いわゆるICJの「司法審査」(judicial review)とも呼ばれるこの機能は、ポスト冷戦期に入って顕著に見られるようになった。そこで、本年度は、1990年代以降のICJの判例をすべて再検討し、これに該当する裁判例を拾い出す作業を行った。その結果、この審査機能は、次の三つの形態に分けられることがほぼ明らかになった。第1は、加盟国が国連機関のとった決定の合法性の審査を請求する場合(ロッカビー事件でのリビアの安保理決定の審査請求)、第2は、国連が加盟国の行動審査を求める形式(クマラスワミ事件での国連によるマレーシアの行動の審査請求)、第3は、加盟国が他の加盟国の行為の合法性を問う場合(NATO諸国によるユーゴ空爆に対する旧ユーゴの審査請求)、である。これらの個々の裁判例の詳細な検討は次年度に改めて行う予定である。
ICJのこの新しい司法機能の法的位置づけの検討はいまだ十分になされていないが、しかし、海外の国際法学者の間ではこの問題はかなり注目されるようになり、研究論文も増えつつある。本年度は、それらの論文の若干のものを調査・分析した(たとえば、G.Anangio-Ruiz, "The ICJ Statute, the Charter and Forms of Legality Review of Security Council Decisions, 2003)。関係論文の調査・分析は、判例の分析とともに、次年度以降も続ける予定である。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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