2006 Fiscal Year Annual Research Report
触法少年・虞犯少年に対する少年法・児童福祉法の二元的保護システムに関する考察
Project/Area Number |
17530056
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石川 正興 早稲田大学, 大学院・法務研究科, 教授 (50120902)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 則芳 国士舘大学, 法学部, 教授 (50138161)
守山 正 拓殖大学, 政経学部, 教授 (90191056)
|
Keywords | 触法少年 / 虞犯少年 / 少年院 / 児童自立支援施設 / 夫婦制 / 交替制 |
Research Abstract |
3年間の研究期間のうちの2年目となる2006年度も、昨年度より引き続いて、少年法・児童福祉法に関わる様々な施設で聞き取り調査を実施した。聞き取り調査では、施設のタイプ毎に作成された質問表および調査票を対象施設に事前に配布した上で、施設訪問の際に調査票を回収し、かつ担当者に対してインタビューを行うという方法を用いた。 昨年度は、日本全国のうち北海道地区と近畿地区という地方のブロックを単位として、ブロック内の少年院と児童自立支援施設を中心に聞き取り調査を実施した。少年院に代表される少年保護司法システムに組み込まれている施設と児童自立支援施設に代表される児童福祉行政システムに組み込まれている施設のそれぞれのあり方を比較検討することが本研究の課題とされているからである。本年度は、昨年度得られた知見をもとに視点を変え、少年保護司法システムと児童福祉行政システムに組み込まれている多様な施設が一地方自治体内でどのように有機的に連関しているのかを明らかにすべく聞き取り調査を実施した。調査対象とした地方自治体は、東京都・千葉県・神奈川県・茨城県・福島県である。首都から地方まで調査対象に幅を持たせることにより、都市化の度合いによる差異の有無をも明らかにしようとした。これらの地方自治体内の少年院・児童自立支援施設・児童相談所・児童養護施設・少年鑑別所・家庭裁判所・少年サポートセンター・少年補導センターを聞き取り調査の対象とした。最終的には、こうした各施設の相互連関の現状とその間題点を的確に把握することができた。 最終年度となる次年度は、2年間実施してきた聞き取り調査の結果をデータとして整理することをまず遂行したい。その上で、最終的な報告書では、聞き取り調査から得られた洞察を少年保護司法システムと児童福祉行政システムの歴史的な変遷をも踏まえながら論じることにする。
|