2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530080
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川口 恭弘 同志社大学, 法学部, 教授 (70195064)
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Keywords | 金融機関 / 参入規制 / 公益性 / 決済機能 |
Research Abstract |
本研究は3年継続して行われ、その成果は最終的に単行本の出版によってなされる予定である。したがって、各年度の研究はかかる成果を実現するための準備研究となる。 本研究は、内容を、(1)金融機関の規制の意義、(2)金融機関の開業規制、(3)金融機関の財務規制、(4)金融機関の業務規制、(5)金融機関の破綻処理規制、(6)規制機関のあり方に分けることができる。 平成18年度は、(3)と(4)を中心に研究を行った。そこでは、平成17年度に研究対象とした、金融機関の業務の公益性を前提に、金融機関の健全性を維持すべき方法について検討を行った。(3)では財務規制、(4)では業務規制の重要性を確認し、その中身について研究を行った。 (3)の財務規制では、特に、自己資本比率規制と大口信用規制に焦点を当てた。その上で、国際的に新しく導入されようとしている新BIS基準の評価と課題の検討を行った。かかる新基準の内容には流動的な部分が残されているため、研究成果の公表は、それが発効した段階まで留保することにしている。 (4)については、特に、証券業務や保険業務への参入規制が中心的な課題となる。アメリカの最新の動きをフォローした。関連する研究として、わが国の金融機関に関する同様の課題を検討した。近年、金融商品取引法が制定され、さらに信託業法・信託法が改正され、わが国の金融機関の業務規制に大きな影響を与えている。この点について、日米の比較法的な検討が必要なため、これらの法律の内容について関連する考察を行った。かかる成果は、本研究から派生するものであるものの、本研究に必要かつ有益な作業と位置づけすることができる。 研究手法は、内外の文献の検討が中心となった。必要に応じて、出張による文献収集を行った。また、各種研究会において研究の中間報告を行った。平成17年度は、海外に出張し、スタンドード大学とワシントン大学の関係者との意見交換を行った。アメリカの最新の動向を知ることができ、研究の成果に大きく貢献するものとなった。
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Research Products
(2 results)