2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530082
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹濱 修 立命館大学, 法学部, 教授 (40188214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
品谷 篤哉 立命館大学, 大学院・法務研究科, 教授 (90247677)
笹本 幸祐 関西大学, 法学部, 教授 (10279250)
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Keywords | 保険法 / 金融法 / 証券取引法 / 商法 / 民法 / 再保険 / 保険業法 / 損害保険 |
Research Abstract |
平成17年度は、当初計画に従って、本研究の基礎的資料の収集と実態把握、並びにその分析を行い、研究課題の深化、再確認を行った。とくに、わが国の実情把握と諸外国の状況との突合せが当面は重要課題であった。このため、損害保険と生命保険の両業界からヒアリングを行い、実務の最新動向を把握し、新種取引等に関し必要情報を得るために、国内の資料収集とともに、英米独におけるヒアリングおよび最新情報の収集を行った。 保険契約法の観点からは、リスク対処の新種取引の契約内容が保険契約者になる個別企業のニーズに応じることになるため、公表されている情報からしか中身を知ることができず、なお推測の域を出ない部分も残っている。しかし、基本的に利用される取引の枠組みは、おそよ把握できることから、その新種取引の法的性格に分析を入れることが一応可能になっている。他方、保険業法などの業法的角度からの規制という面では、わが国と諸外国との間では、やや事情が異なることも明瞭になってきた。たとえば、EU加盟国を中心として、欧州では、金融コングロマリットが発達しており、保険会社が扱えない種類の取引でも、親会社ないし兄弟会社との連携により相当に自由な金融商品の提供が可能になっている。このため、保険取引の概念に含まれない新種取引であっても、それは、銀行や証券会社などとの共同により新型の金融保険商品を開発し、それを販売代理業者を通じて、一般の企業や消費者に提供することが容易である。その際、問題になるのは、その取引に対する課税や会計処理であって、各種の金融関係分野ごとの事業法の規制は、実際的には、必ずしも大きなウエイトを占める問題となっていない。しかし、保険会社が保険取引に限定される事業主体であることに変わりはなく、その点での規制はなお存在し、法概念上の問題は残されていることも、明らかとなった。最近、公表された英国の調査報告書も、その点の指摘があり、課題は欧州も共有している。
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