2005 Fiscal Year Annual Research Report
両大戦間期日本の政党政治と中国-東アジアをめぐる国際環境のなかで-
Project/Area Number |
17530104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川田 稔 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (50140017)
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Keywords | 浜口雄幸 / 永田鉄山 / 若槻礼次郎 / 田中義一 / 中国政策 / 政党政治 / 国家構想 / 満州事変 |
Research Abstract |
おもに政党政治の絶頂期から崩壊期、すなわち1920年代末から1930年代にかけての対中国政策と日中関係を検討した。 まづ、その時期の現実の対中国政策と日中関係の詳細を分析し、主要政治家、軍人の中国認識と対中国政策構想を、その国家構想全体と関連づけながら検討した。ことに、政党政治の内外政策をもっとも推し進めたとされる浜口雄幸の中国政策構想を、その国家構想、世界戦略構想との関連のなかで検討し、また、その後継内閣を組織した若槻礼次郎の中国政策構想を明らかにしえた。 それと同時に、満州事変以後、政党政治を崩壊へと導く主導因となった陸軍の超国家主義グループとりわけ永田鉄山、岡村寧次、石原莞爾ら一夕会、およびそれに政党側から連携する森恪などの中国政策構想を、その総力戦的国家体制構想、世界戦略と関連させながら分析した。 さらに、田中内閣期の山東出兵から、5・18覚書、張作霖爆殺前後の田中義一、浜口、森恪、永田らの構想、また、満州事変をへて、満州国建国、国連脱退、華北分離工作ごろまでのさまざまな構想を、実際の政治外交史の展開に即しながら、より具体的に検討した。 中国側の対日政策構想についても、蒋介石、王正廷(国民政府外交部長)、張学良などを中心に検討をおこない、日本側の政策との相互関係や日中双方の構想内容の比較分析をおこなった。米英についても、ケロッグやスティムソン(米国務長官)、チェンバレンやヘンダーソン(英外相)などの東アジア政策構想を検討した。
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