2008 Fiscal Year Annual Research Report
両大戦間期日本の政党政治と中国-東アジアをめぐる国際環境のなかで-
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17530104
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川田 稔 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授 (50140017)
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Keywords | 浜口雄幸 / 原敬 / 政党政治 / 両大戦間期 / 中国 / 国家構想 / 山県有朋 / 蒋介石 |
Research Abstract |
1910年代から1920年代初めまで、これまでと同様な方法・費用支出で研究を続けた。第一次世界大戦まえから1920年代はじめまで、対中国政策と日中関係の展開の詳細な把握を前提に、山県有朋、寺内正毅、加藤高明、原敬、高橋是清、またこの時期の若槻、田中、浜口ら、主要政治家・官僚・軍人の国家構想と中国認識・対中国政策構想の分析検討をおこなった。さらにそれと対照させながら、段祺瑞・孫文、張作霖、陳友人ら中国側の対日政策構想の研究を本格的におこなった。それに加えて、米英の東アジア政策、ウイルソンやブライアン(米国務長官)、バルフォア、カーズン(英外相)の東アジア政策構想も分析した。具体的には、第一次世界大戦期の山県、原、加藤の構想の相克の検討を中心に、1910年代の政党政治成立期における主要政治家・官僚・軍人とりわけ山県、寺内、原、高橋、加藤高明、浜口雄幸・後藤新平などの中国認識・対中国政策構想と、中国側の対日政策その背景となる欧米諸国の東アジア政策、英米政治指導者の東アジア政策構想を分析した。中国側では、この時期の孫文、張作霖、陳友人などの構想が、米英では、ウイルソン、ブライアン、バルフォア、カーズンなどの構想を検討の対象とした。 そのうえで、全時期にわたる補充の調査研究と、全体のまとめをおこなった。また、両大戦間期政党政治期の対中国政策構想、国家構想、世界戦略構想および、当該時期の日中関係、英米さらにはロシア(ソ連)との関係についての研究をふまえ、これまでの研究史についてにあらためて、その理論的再検討を行うとともに、この時期のもった可能性について、あらたな議論を提示した。
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