2005 Fiscal Year Annual Research Report
レオ・シュトラウス、オークショット、ジュヴネルの比較政治哲学的研究
Project/Area Number |
17530114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
中金 聡 国士館大学, 政経学部, 教授 (90269712)
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Keywords | 政治哲学 / レオ・シュトラウス / オークショット / ジュヴネル / ホッブズ |
Research Abstract |
研究初年度の研究費支出は、対象となるシュトラウス、オークショット、ジュヴネルの各著作および研究文献の網羅的収集を優先させ、当初予定していた資料整理のための文具類の購入は見合わせた。収集資料のうち、とくに英国研究者の協力で入手したLSE所蔵のオークショット初期草稿類、および二度の摂南大学出張で閲覧・複写したシュトラウス・ペーパーズは、今後の研究の展開に多大な貢献をなすことが期待される。 初年度の具体的な研究成果としては、まずシュトラウス学派第二世代に属するマーク・リラの著書『シュラクサイの誘惑』の翻訳刊行、および本書のテーマを解説した論文「政治と哲学のあいだ」がある。シュトラウスについてはこのほかに、第9回レオ・シュトラウス研究会(2005年12月18日、慶應義塾大学)での口頭発表「アルキビアデス問題」があり、レオ・シュトラウス政治哲学研究会編『政治哲学』に2006年度中に論文として発表を予定している。ジュヴネルについては、シュトラウスおよびオークショットとの相互影響関係を指摘した論文「ベルトラン・ド・ジュヴネルの政治哲学」が政治思想学会編『政治思想研究』第6号(2006年5月)に掲載される予定であり、ついで権力論を中心としてジュヴネルとオークショットの所説を比較した論文をやはり国内学会誌に発表するべく準備している。オークショット関連では、著書Hobbes on Civil Association (1975)の翻訳書を法政大学出版局より2007年春に刊行することが決定しており、鋭意作業中である。 また本研究から得られた知見を活用したものとして、編著『藤原保信著作集第3巻-西洋政治理論史(上)』(新評論)の「解説」、第6回早稲田政治学会での和田泰一報告「ホッブズ政治学におけるアリストテレス批判の意義」へのコメンテーター報告(2005年10月22日、早稲田大学)、および第199回早稲田政治思想研究会での口頭発表「再び教育の主題としての政治学について」(2006年1月28日、早稲田大学)がある。
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Research Products
(2 results)