2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530118
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山田 治徳 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80311835)
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Keywords | NPM / 行政改革 / 公務員倫理 / 自治体 |
Research Abstract |
本研究は、NPMが行政実態に及ぼす影響のうち、負の側面の可能性について実証的に検証を行うものである。NPMについては、わが国行政においても財政制約が顕在化するなかで、行政運営における効率性の向上や住民に対する応答性の向上など、多くの期待が掛けられている。確かにその点においてNPMは、少なからぬ実績をも有してはいるが、決して懸念される点がないわけではない。その一つが公務員倫理に対する影響である。NPMは、利潤追求をインセンティブとする市場原理を行政運営に活用するものである。すなわちこれまでの行政においてはタブーとされてきた私益の実現をインセンティブとして活用するものである。これが行政活動の重要な担い手である公務員の行動原理に対し、どのような影響を及ぼすおそれがあるだろうか。具体的には、私的利益の実現のために公的利益を犠牲にするような行動、すなわち汚職など公務員倫理の低下の可能性について焦点を当てて、自治体職員を対象に意識調査を行うことで検証を行うものである。 本研究では自治体職員に対し、調査票調査により、必要なデータ収集を行うとともに、一部職員に対しては、インタビューを行い、定型的な調査票調査では捕捉が困難な情報についての収集を行った。これにより行政が直面する問題に対する自治体職員の意識、とりわけNPMが求める変化と公務員倫理に対する認識の相違を明らかにするとともに、特に職員階層間における認識の相違の存在を明らかにした。
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