2005 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーションと市民社会:国際NGOとグローバルな社会運動の相互作用
Project/Area Number |
17530136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
毛利 聡子 明星大学, 人文学部, 助教授 (90318676)
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Keywords | グローバリゼーション / NGO / 社会運動 / 市民社会 |
Research Abstract |
3年間の研究の初年度にあたる平成17年度は、8月24〜27日にトルコ・イスタンブールで開催された世界国際研究委員会(World International Studies Committee, WISC)の第1回グローバル国際研究大会に参加し、"Civil Society and Norm Building : Deliberative Democracy from Below"というテーマで研究発表を行った。本発表では、国レベルの代議制民主主義がグローバリゼーションが進む中で十分に機能しえなくなっていること、そしてグローバル・レベルでは依然として民主主義の赤字が大きな問題となっていることを踏まえ、市民社会による討議民主主義への要求が高まっているという仮説を提示した。そして、ローカル・レベルで生じている反グローバリゼーション運動は、ボトムアップからの討議プロセスの試みと捉え、それがトランスナショナルな連携の場である世界社会フォーラムの開催へと繋がっていることを指摘した。そして本発表は、「Constructing Global Order : Civil Society and a New Public Sphere」としてまとめ、『明星大学研究紀要』に掲載された。 また、現場での参加観察を行うため、1月17〜25日にマリ共和国のバマコで開催された「アフリカ社会フォーラム」に参加した。世界杜会フォーラムの第6回目にあたる今年は、多中心フォーラムとしてバマコ、カラカス、カラチの3都市で分散開催された。非西欧地域であるアフリカ、ラテン・アメリカ、アジアで試みられた公共空間の創設が、社会構造や文化の差異をどの程度乗り越えて、共通のアイデンティティの確立に向かっているのかについて、3大陸で開催されたフォーラムを比較・検討して分析をする上でのデータを収集した。
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