2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神取 道宏 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10242132)
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Keywords | くり返しゲーム / 分割不能財 / 進化ゲーム |
Research Abstract |
長期的関係において、相手の行動がよく分からない場合、いかなる協調が達成可能かを吟味する理論モデルである、「公的不完全観測下のくり返しゲーム」は、膨大な研究の蓄積があるが、それらはいずれも数学的に扱いやすい「公的戦略」という特殊なクラスの戦略のみを分析するものであった。これに対して、本プロジェクトでは、より一般的な「私的戦略」を考慮することによって、より効率的な結果を達成できることを明らかにした。この結果をひとまずまとめ、これが国際学会誌Econometricaに掲載された(2006年3月)。 同様のモデルの中で、「コストをかければ相手の行動がよりよく分かる」という、「内生的観測モデル」は、その応用上の重要性に比較して研究がいまだ未発達である。このテーマについてUCLAの小原助教授との共同研究を進め、研究の中間発表を、Econometric Societyの世界大会(ロンドン)で行った("Endogenous Monitoring"、発表担当は小原助教授)。 このほか、最も包括的な経済学辞典である、New Palgrave Dictionary of Economicsの第2版において、「くり返しゲーム」の項目の執筆を依頼され、原稿を準備した("Repeated Games", COE discussion Paper Series CIRJE-F-395)。最終的な手直しの上、出版されるのは18年度以降になる予定である。 分割不可能財の配分に確率進化の考えを適用するプロジェクトは、ひとまず結果をまとめ、Journal of Economic Theory誌に投稿した。
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