2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530143
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
常木 淳 Osaka University, 社会経済研究所, 教授 (10207425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芹澤 成弘 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90252717)
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Keywords | 法と経済学 / メカニズムデザイン / 経済実験 / 公共工事入札 |
Research Abstract |
構造改革の流れの中で、公共事業の効率化は喫緊の課題となっています。法制度を充実させて、社会科学的な制度設計(メカニズムデザイン)の発想を組み込むことは、この課題にとって極めて重要な意義を有すると言えるでしょう。これまで、この問題に対して、公共工事入札など具体的な問題を選択しつつ研究を行ってまいりましたが、本年度は総括的な意図を持って、専門的体系書と社会啓蒙的な著作を通して、これまでの研究成果の意義と内容とを広く世に問うことに重点を置きました。 一般に、法制度がメカニズムデザイン論とどのように関連するのか、なぜ法学ではなく、経済学や社会科学的分析による法制度の研究に意義があるのかを理論的に解明し、それを労働市場、労働契約の問題や、法システムにおける法曹のサービス供給に関する制度設計問題へと応用することによって、論点を明確化することに努めました。その中で、日本の解雇規制法理が日本の労働システムに果たしている功罪相半ばする問題点、現在、問題になっている司法制度改革が経済学やメカニズムデザインの観点からどのように評価できるかを詳しく検討しました。また、メカニズムデザイン論の基礎となる公平な富の分配の基準について多様な角度から検討を加え、これら制度設計の基礎となるデモクラシーの政治制度の最も基本的な制度的意義にまで論じ及ぶところとなりました。
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Research Products
(2 results)