2006 Fiscal Year Annual Research Report
ディスプリンとしての経済学の生成と発展についての研究
Project/Area Number |
17530155
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
只腰 親和 横浜市立大学, 国際総合科学部, 教授 (60179710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千賀 重義 横浜市立大学, 国際総合科学部, 教授 (20036057)
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Keywords | 経済思想 / 経済理論 / 経済学史 |
Research Abstract |
本研究は、二年計画で経済学の、自立したディスプリンであるという社会諸科学の中でも稀有な特徴を、19世紀初頭から現代にいたるタイムスパンの中で歴史的に跡付けることを目指すものである。そうしてその研究を海外の研究者との協力によってすすめることに特色がある。本年度は、職場を共にする千賀と只腰が適宜、討論を行いながら、只腰がウェイトリについて、千賀がジェボンズ、ケインズについての研究をすすめた。千賀は平成18年3月の日本イギリス哲学会におけるシンポジウムで「イギリス思想におけるプロバビリティ」と題して主にジェボンズについて発表をおこなったが、この報告をもとに論文をまとめた。また只腰は、これまでウェイトリに大きな影響を与えたとされるデュゴールド・スチュアートとウェイトリの関係について立ち入って検討をくわえ、両者の相違について英文で一論をまとめた。(ふたつの論文とも雑誌等には未発表だが、研究成果報告書として提出の予定) 海外の研究協力者との合同研究の面では、アルヴィー、デューズ両氏と日常的にメールでの意見交換を行うと同時に、平成18年9月に一同がオーストラリアのクイーンズランド大学に会した。その目的は、1)それぞれの日ごろの研究成果を相互に交換、確認しあうことと、2)最終的にわれわれの研究プロジェクトをどのように集約するかを話し合うことにあった。1)については時間をとって互いに率直な意見を述べ合ったので結果は有益であった。そういう議論をふまえて2)に関して、各人の成果を論文の形で集め、書物にまとめる方向で意見が一致した。ただし書物にまとめるには、4人以外の研究者の協力が必要なこと、さらに出版事情の困難な実情から出版社をさがす必要のあることもその時に確認された。その後、そういう方向で各人が努力を続けており、われわれが合意した目標を実現することが今後の課題である。
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