2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
縄田 和満 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00218067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 尚幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40312988)
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Keywords | 治療成果 / 在院日数 / 同時方程式モデル / 離散データ / 質的データ / 比例ハザードモデル / 大腿骨骨折 / 白内障 |
Research Abstract |
我が国においては医療費の増加が大きな問題となっており,在院日数や治療成果の適正な評価は今後の医療政策を考える上で重要な課題となっている。平成17年度における研究では、これらの観点を踏まえて次の3点についての研究を行った。第1は、大腿骨骨折における在院日数・治療成果データの分析を行い平成14年4月の診療報酬改定の在院日数・治療成果への影響の評価を行うとともに,これらに影響する因子についての検討を行った。治療費用と治療成果の間には同時決定性の問題が存在する。また、在院日数は左の整数値を取る離散データであり、治療成果は質的データである。治療費用と治療成果の関係について個別に分析した研究はこれまでに存在するが、これらを統合的に扱った研究は存在しなかった。平成17年度の研究ではこの問題に対応するため、新たに離散型の比例ハザード・モデルおよび同時方程式モデルを作成し、その最尤推定のために独自に開発したプログラムによって分析を行った。これらの研究成果のうち、平成17年度中に3編の研究論文がJournal of Health Economics他の学術雑誌に掲載済みまたは掲載が決定(雑誌に掲載されもの1編、採択が決定したもの2編)している。第2は、白内障における入院日数の分析である。白内障治療のための手術は標準化されたものであるにも係わらず、病院ごとに在院日数に大きな差がある。これを離散型の比例ハザード・モデルおよび順序プロビット・モデルによって分析し、在院日数に影響を与える要因についての分析を行った。研究成果のうち、1編の研究論文が学術雑誌に掲載が決定している。第3は、これらのデータ(質的データ・離散データ・制限従属変数として)の分析手法に関する研究である。査読期間等の関係で、平成17年度中は掲載決定に至ったものはないが、数編の研究論文を学術雑誌に投稿中である。また、これらの手法と関連する分野の著書1点を平成17年度中に刊行している。
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