2006 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険制度の改革と社会厚生の計量分析:医療経済学的アプローチ
Project/Area Number |
17530170
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 直志 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (10210460)
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Keywords | 介護保険制度 / 在宅介護 / 医薬品産業 / 資本の集中化 / 資本規模 / 生産効率 |
Research Abstract |
今年度は、高齢者の介護について、介護医療施設、在宅介護(公的介護サービスの利用)、又は在宅介護(家族の介護サービス)という選択について、2000年4月に施行された公的介護保険がどのような役割を果たしているのか、分析を行った。計量分析の結果から、在宅介護の推進が経済的側面から好ましいという、知見を得た。その結果として、在宅介護でも被介護者の家族による介護のインセンティブを高めるために経済的支援が推進されるべきである、という政策提言をしている。 また、科研の研究課題でもあり、及びファイザーヘルスリサーチ振興財団への報告書の一部として、人口の高齢化が進む日本において、2000年の介護保険制度の導入後、医療政策の変化が薬剤費や医薬品産業にどの様に影響しているか、実証的に検証している。 資料から、医薬品産業の規制緩和と薬価基準の下方改定は、外国の大資本企業に対する日本の医薬品企業の競争力強化のために、国内の医薬品企業は資本の集中化をさせる傾向にあり、その結果として医薬品産業では企業の吸収・合併が促進され、製造と販売の特化が進む傾向にある、という知見を得た。しかし、資本の集中化は必ずしも医薬品売上高と正の線形関係にあるのではなく、資本規模が比較的小さい企業と非常に大きな企業において、医薬品の販売または生産効率が良いという示唆を得ている。
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Research Products
(2 results)