2006 Fiscal Year Annual Research Report
中日経済の国際産業連関分析-相互依存関係、外国投資と産業構造との関係を中心として
Project/Area Number |
17530179
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
滕 鑑 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (40346408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
房 文慧 敬和学園大学, 人文学部, 助教授 (40319017)
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Keywords | 日系企業分析用表 / 日系企業 / RAS法 / 輸出代替効果 / 輸出誘発効果 / 逆輸入効果 / 輸入転換効果 |
Research Abstract |
平成18年度の課題は、1990-95-2000年接続中日国際産業連関表に中国進出日系企業(以下日系企業と略する)の経済活動を明示的に取り入れ、日本の対中直接投資が日本経済、中国経済(日系企業の経済活動を除いた現地経済)に及ぼす影響を分析することにあった。 そのため、まず、日系企業の経済活動を分析するため、日系企業分析用中日国際表(以下、日系企業分析用表と略する)を開発した。日系企業分析用表を作るために、「1990-1995--2000年接続中日国際産業連関表」、「日系企業の海外事業活動の調査」などの資料を利用した。「1990-1995-2000年接続中日国際産業連関表」は、各年の価格評価を米ドルに統一表示したうえで、2000年の価格基準のインフレータで実質化したものである。「日系企業の海外事業活動の調査」は、日本の経済産業省が日本企業の海外事業活動のデータを得るために、1970年から毎年に実施されてきたものである。本研究では、これらの資料を用いて、中国に進出する日系企業の生産額、中間投入額・付加価値額、最終需要・最終購入などを推計し、またRAS法によるバランス調整を行って、1995年と2000年の日系企業分析用表(実質、2000年価格)を開発した。 そして、このオリジナルなデータベースに基づいて、中国と日本との貿易を通じて中日経済に与える影響を分析している。具体的に、1輸出代替効果(中国で販売される日系企業の製品が日本の対中国輸出を代替する効果)、2輸出誘発効果(日系企業が日本から資本財や中間部品などを輸入することにより日本の対中国輸出を誘発する効果)、3逆輸入効果(日系企業が中国で生産した製品を日本へ輸出する効果)、4輸入転換効果(日系企業の中国進出により、日本で生産するための原材料などの輸入が減少した)出などを明らかにした。この成果は、研究報告(An Input-Output Analysis on Japanese Enterprises in China)としてまとめ、国際産業連関分析学会(16th International Input-Output Conference, Istanbul Technical University, 2-6 july, 2007)で発表する予定です(発表承認)。
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Research Products
(2 results)