2008 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク産業(信書便産業・電気通信産業等)規制の平行進化に関する調査及び研究
Project/Area Number |
17530182
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
実積 寿也 Kyushu University, 大学院・経済学研究院, 准教授 (20325690)
|
Keywords | ネットワーク / 信書便産業 / 電気通信産業 / 規制 / 通信経済 |
Research Abstract |
平成20年度は、これまでの研究を継続・深化させ、得られた知見をとりまとめるとともに、過去3年間の研究過程において見出されてきた研究シーズを整理する作業を行った。まず、わが国の通信政策の所得分配面への影響に関する他大学の研究者との共同研究については、学会報告や研究会発表を通じて得たフィードバックを踏まえてさらなる改善を行い、国際学術誌への掲載を果たした。また、先進国でのネットワーク利用における超過需要(供給制約)がもたらす問題点に着目し、国際学会において報告を行うとともに、関連論文の投稿を行った。本問題は、「ネットワーク中立性」として通常は議論されるものであり、ブロードバンド化の進展を背景に、ネット先進国共通の課題となっている。一方、情報通信関連データベースについては、審議会答申のべースとなった主要研究会の報告書を対象に資料収集を行う予定であったが、本科研費の期限内には作業を完了させることができなかった。しかしながら、これまでの電気通信政策の変遷とその要因分析に関する論文をまとめ、関連学会誌への掲載を果たした。本研究の主要目的である「『ネットワーク産業における規制変革』に関する知見の信書便産業に対する適用可能性」をめぐる分析に関しては、関連学会(生活経済学会)において報告を行い、関連研究者との意見交換を行った。これについては、郵政民営化議論が一段落した時期を見計らい、一つの論文として取りまとめるため、本科研費終了後も資料の収集・現行化を継続する。さらに、本研究の遂行に伴う付随的な成果として、これまでの資料収集の成果を活かし、学部生対象の講義に利用しうる通信経済学のテキストブックを執筆し、学部講義で活用した。
|