Research Abstract |
PET検診実施施設において受診者に対して,以下の内容のアンケート調査を行い,488名および対照群85名から回答を得た. PET検診,PET検診を含む総合的がん検診,総合的がん検診を含む会員制健康管理サービス,などについて,自発的支払額WTP,年収,ヘルスリテラシー,その他. 結果:・PET検診,総合的がん検診,会員制健康サービスのどの群においても,年収が高いほど,年齢が低いほどリテラシーが高い.PET検診ではリテラシーとWTPの間に有意な関係は見られないが,総合的がん検診,会員制健康サービスにおいては,リテラシーが高いほどWTPが高い.PET検診,総合的がん検診,会員制健康サービスのどの群においても,PET検診受診群の方が対照群よりもWTPが高い.各WTPと年齢をみたものでは,受診群では単発的なPET検診,総合的がん検診に対しては70代以上まで年齢が上がるにつれて,概ね増加していくが,会員制健康サービスについては50代から60代は多少増加するが,それ以下でもそれ以上でも明確な関係はなく,70代では逆に減少し最低値であった.後期高齢者の医療を考える場合には,異なった政策が必要であるということを示している.対照群では年齢による差はあまりみられなかった.PET検診と総合的がん検診に対する年齢別の受診希望回数であるが,40〜69歳では1年に一回が多い傾向にあったが,40歳未満と70歳以上では数年に一回の方が多かった. 二段階最小二乗法の推定結果では以下の結果が得られた. 1)PET検診,総合的がん検診,会員制健康サービスのどの群においても,年収が高いほど,年齢が低いほどリテラシーが高い 2)PET検診ではリテラシーとWTPの間に有意な関係は見られないが,総合的がん検診,会員制健康サービスにおいては,リテラシーが高いほどWTPが高い 全てに対して,PET検診受診群の方が対照群よりもWTPが高い.
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