2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530219
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
朱 乙文 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (20316152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 克己 北九州市立大学, 経済学部, 助教授 (00336950)
土門 晃二 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (00264995)
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Keywords | 都市ガス / 電力 / 産業融合 / ネットワーク産業 / アクセス・チャージ / 産業政策 / 規制緩和 / マルチエージェント |
Research Abstract |
本研究は最近の規制緩和で進みつつある二つのネットワーク産業、すなわち都市ガス産業と電力産業における事業者間の相互乗り入れ問題を研究する。具体的には、緩い意味で代替的なサービス(ガスもしくは電気)を提供している独占的事業者が、他の事業者にボトルネック(ネットワーク)を握られている場合、どのような競争が生じ、どのような規制が必要か、特に、垂直分離(配電、送電、発電)がどのように影響を競争に及ぼすかなどの問題について、ネットワークのアクセス・チャージに注目して分析を行う。 H17年度には、研究計画通り、分析対象とする産業のデータ収集を終了し、ソフトウェアの選定・整備・準備、理論モデル設計などを行い、現在、「産業分析」との整合性を確かめるため、微調整を行っている。本年度の研究結果は次のようなものである。 1.産業のデータ収集・分析:講演会および意見交換会の開催(早稲田大学、H17.10.23〜24)と研究代表者の米国(Old Dominion University)での調査研究などを通じて、日本の現況だけではなく、米国の現況も分析し、日本の産業融合を分析する際の視点を提供した。このような分析は、未発表論文「Restructuring Energy Industries of Japan : Lessons from Experiences in the U.S. Energy Industries」によってまとめられている。 2.理論モデル設計・構築:日本の都市ガス産業と電力産業の相互依存関係について理論モデルを構築し、産業構造の変化によって、企業行動や社会厚生がどのように変化するかについて比較・分析し、最適な産業政策を模索した。この研究は、未発表論文「Market Convergence of Gas and Electric Power Industries with Network Monopolies」によってまとめられている。 3.ソフトウェアの選定・整備:研究協力者とともにシミュレーション分析ソフトを開発・準備し、現実の産業の現況との整合性の観点から調整を行っている。このようなシミュレーション分析結果は、「マルチエージェントによる都市ガスと電力産業融合の経済分析」としてまとめるよう調整をしている。 以上H17年度で行った研究は、すべて異なった視点からの研究ではあるが、内容面で相互依存関係にあるものである。北九州研究会(北九州市立大学、H18.2.2〜3)では、海外学識者(ベトナム大学、Tran Dinh Lam)を交えて、内容の調整を行った。これらの論文は、研究計画通り、さらに内容的調整を深め、H18年度にジャーナルなどを通じて発表する予定である。
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