2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530219
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
朱 乙文 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (20316152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 克己 北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (00336950)
土門 晃二 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (00264995)
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Keywords | 都市ガス / 電力 / 産業融合 / ネットワーク産業 / アクセス・チャージ / 産業政策 / 規制緩和 / マルチエージェント |
Research Abstract |
本研究は最近の規制緩和で進みつつある二つのネットワーク産業、すなわち都市ガス産業と電力産業における事業者間の相互乗り入れ問題を研究する。H18年度は、具体的には、緩い意味で代替的なサービス(ガスもしくは電気)を提供している独占的事業者が、他の事業者にボトルネック(ネットワーク)を握られている揚合、どのような競争が生じ、どのような規制が必要か、また、垂直分離(配電、送電、発電)がどのように影響を競争に及ぼすかなどの問題などに注目して分析を行った。 本年度には、H17年度に行った分析対象とする産業のデータやシミュレーション・ソフトウェアなどを用いて、種々の分析を行った。H18年度の研究結果は次のようなものである。 1.理論モデル設計・構築:日本の都市ガス産業と電力産業の相互依存関係にっいて理論モデルを構築し、種々の産業構造において、最適なアクセス・チャージがどのように決定されるかにっいて分析を行った。この研究は、東京ガス報告書「市場融合下における最適託送料金」によってまとめられている。 2.シミュレーション分析:研究協力者とともにシミュレーション・ソフトを開発・準備し、現実の産業の現況を考慮しつつシミュレーション分析を行い、発表した。分析結果は、マルチエージェント・シミュレーション分析によるもので、The Competitive Network Analysis between Gas and Electric Power by Multi-Agent Simulator KCC ((Knowledge Communication and Conferences)) 2006 Proceedings, Toward a Prototype Development of Population Model by Multi-Agent Simulator, Modeling Decisions for Artificial Intelligence (MDAI2006CD-ROM), Springerなどに掲載され、またその他の関連論文は学会報告などによって発表されている。 3.日韓の産業構造分析:H18年度は、都市ガス産業構造の日韓比較分析を行った。日本と韓国の都市ガス産業は原材料の輸入に大きく依存しているという同様な状況下にあるが、産業構造など大きく異なるものとなっている。この研究は、北九州市立大学経済学会Working Paper Series「都市ガス産業構造の比較分析-日本と韓国の場合-」として纏められており、韓国の現況も分析し、日本の産業融合を分析する際のより広い視点を提供したものとなっている。 以上H17年度で行った研究は、すべて異なった視点からのものではあるが、理論と現実、そして実証の多面的な研究となっており、内容面で相互依存関係にあるものである。これらの論文の一部はH19年度にジャーナルなど掲載する予定である。
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Research Products
(4 results)