2007 Fiscal Year Annual Research Report
地方政府における集積の経済の活用に関する実証的研究
Project/Area Number |
17530231
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
芥川 一則 Fukushima National College of Technology, コミュニケーション情報学科, 准教授 (40310990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠原 智文 独立行政法人国立高等専門学校機構福島工業高等専門学校, コミュニケーション情報学科, 講師 (50369930)
松本 行真 独立行政法人国立高等専門学校機構福島工業高等専門学校, コミュニケーション情報学科, 講師 (60455110)
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Keywords | 経済政策 / 経営学 |
Research Abstract |
「平成の大合併」と呼ばれる地方自治体の合併が進められている.合併の是非に関する議論が盛んに行われているが、多くの議論は近視眼的な合併のメリットとデメリットの議論に終始している.長期的なビジョンを踏まえた合併の是非について議論する地方政府は少ない. 本研究では、長期的なビジョンを踏まえた合併の議論をするにあたり、その政策手段として一般的に意識されている規模の経済ではなく、集積の経済に着目し、集積の経済をビジョンに取り入れた具体的な手法を研究する.東京一極集中が起こっているのは規模の経済のみならず、集積の経済の効果と考えられる.集積の経済における「地域特化の経済」、「都市化の経済」は理論的に解明されているが、その効果を合併された地方政府に応用し合併後における集積の経済の影響について検討した.その結果次の2点が明らかとなった. 1.いわき市では大規模小売店の集積はみられず、人口の多い3地区に若干の集積がみられる程度あった。これに対し郡山市は駅を中心に店舗の集積がみられた.いわき市は店舗の集積がみられないため各店舗の商圏が全区域に及ばず、参入した店舗が撤退する行動がみられた. 2.人口集中を空間的に観測するといわき市は人口集中地域が分散してみられるのに対して、郡山市はでは駅を中心にした人口集中がみられた.店舗と相関するような人口分布がみられた. このように店舗の立地のパターンと人口の集積のパターンが高い相関関係をみせた.郡山市は人口増加傾向が続いているが、いわき市は平成11年をピークに減少傾向に転じている.このことは集積の経済による効果を裏付けていると考えられる. また、空間的に少子高齢化の状況を観測すると、いわきにおいて少子化の傾向が都市部から山間部まで一定しているのではなく、その中間点の少子化が進んでいない地域がみられた.この現象は少子化に対する打開策のヒントになると考えられる.
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Research Products
(1 results)