2005 Fiscal Year Annual Research Report
スウェーデンにおける労使関係の歴史的展開と企業委員会
Project/Area Number |
17530259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 俊時 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70221760)
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Keywords | 経済史 / スウェーデン / 労使関係 / 企業委員会 / 共同決定制度 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に従い、主として以下の作業を行った。(1)第二次大戦後を対象としたスウェーデン労使関係史、労働運動史、企業史・経営史などの研究文献を収集し、研究史を整理した。(2)平成17年8月13日から9月3日までスウェーデンに出張し、ボルボ文書館を訪れて社内報・年次報告書・内部文書を閲覧し、労働運動文書館(Arbetarraresens arkiv)を訪れて労働組合運動中央組織(LO)の企業委員会関係の文書を調査・閲覧した。(3)スウェーデン出張の際には、3人のボルボの企業委員会関係者(ボルボの元労働者・職員で労組代表として企業委員会に出席した者)に対する聞き取りを行い、1970年代の企業委員会の具体的な状況や当事者の認識を知ることができた。(4)ストックホルムでは、労働運動文書館や労働生活研究所(Arbetslivsinstitutet)に所属する研究者と交流する機会を得た。それらの機関では、現在、戦後の労使関係史に関連する様々な研究プロジェクトを展開しており、研究にとって有用な情報を得ることができた。さらに、平成18年3月20日から4月5日まで再びスウェーデンに行き、(2)(3)(4)の作業を継続する予定である。また、以上をふまえ、研究の中間報告として、ボルボの企業発展に焦点を置き、そこから中央集権的な労使交渉の枠組みであるスウェーデン・モデルの生成・展開・崩壊の過程を見ることを目的とした著書『ボルボとスウェーデン・モデル(仮称)』の執筆に取りかかった。来年度中には書き上げる予定である。
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