2006 Fiscal Year Annual Research Report
スウェーデンにおける労使関係の歴史的展開と企業委員会
Project/Area Number |
17530259
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 俊時 東京大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (70221760)
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Keywords | スウェーデン / 企業委員会 / 共同決定制度 / 労使関係 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に従い、主として以下の作業を行った。(1)特に労使協議制度に注目し、スウェーデン以外の欧米諸国の労使関係史の研究文献を収集し、研究史を整理した。これにより、労使協議制度としてのスウェーデンの企業委員会制の特質を検討した。(2)平成18年8月17日から9月3日までスウェーデンに出張し、1960年代・1970年代の企業委員会制度を調べることを念頭に置き、ボルボ文書館を訪れて社内報・事業報告書・内部文書を閲覧し、労働運動文書館(Arbetarroresens arkiv)を訪れて労働組合運動中央組織(LO)の企業委員会関係の文書を調査・閲覧した。(3)ストックホルムでは、LOで中央から地域の企業委員会活動をサポートした立場にあった者2人に聞き取りを行い、1970年代の企業委員会をめぐる間題状況を知ることができた。(4)ストックホルムでは、昨年度と同様に、労働運動文書館に所属する研究者と交流する機会を得られ、研究にとって有用な情報を得ることができた。さらに、平成19年3月24日から4月10日までスウェーデンに行き、(2)(3)(4)の作業を継続する予定である。また、ボルボやその企業委員会に焦点を置き、そこから中央集権的な労使交渉の枠組みであるスウェーデン・モデルの生成・展開・崩壊の過程を見ることを目的とした著書『ボルボとスウェーデン・モデル(仮称)』を公刊し、研究の中間報告とする予定であるが、平成18年度中には書き終えることができなかった。来年度中には完成させたい。
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