2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530262
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
弁納 才一 金沢大学, 経済学部, 教授 (90272939)
|
Keywords | 食糧事情 / 中華民国期中国 / 農村経済 |
Research Abstract |
年度当初の計画に照らして、以下の3点に分けて研究実績を報告したい。 1.図書・マイクロフィルム資料の収集 本研究の目的は、近代中自食糧事情の分析を通して農村経済構造の特質を明らかにすることにあり、これに関する史料がマイクロフィルム化されているので、数件購入した。 2.資料調査 [国内]東洋文庫や早稲田大学中央図書館で近代中国食糧事情に関する文献資料(主に満鉄北支経済研究所や東亜研究所が刊行したもの)を収集したのに加え、とりわけ農林水産省農林水産政策研究所に多数所蔵されている華北綜合調査研究所及び同研究所緊急食糧対策委員会が1940年代前半に刊行した日中戦争時期中国食糧事情に関する文献資料を集中的に収集した。 [国外]中国上海市档案館で日偽時期档案「日偽上海特別市政府糧食管理委員会」(日中戦争時期上海市食糧事情に関する公文書)を閲覧した。資料の複写は可能だが、制約条件も多いことから必要な部分は筆写した。このような事情で上海市档案館での資料収集に多くの時間を費やすことになったために、当初予定していた上海市図書館での資料収集はできなくなってしまった。 3.資料の整理及び分析 まず、昨年度からの継続作業の成果として、「中華民国前期中国における食糧事情の概略」(裏面の11.研究発表[雑誌論文]を参照)を発表した。また、国内外における文献資料の調査・収集によって関連する資料のリストを作成し直す必要性を強く感じている。昨年度発表した「中華民国期中国食糧事情に関する調査と研究について」を書き直す必要がある。さらに、「日本軍占領下の中国における食糧問題と食糧事情」「汪精衛政権下における中国食糧事情」の2本の論文を作成中であり、今年度中に発表したい。 以上の分析を通やて、平時と戦時及び華北と華中の食糧事情に大きな構造的差異があることを明らかにする。
|