2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530262
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
弁納 才一 Kanazawa University, 経済学部, 教授 (90272939)
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Keywords | 中国 / 農村 / 中華民国期 / 経済構造 / 食糧事情 / 華中 / 華北 |
Research Abstract |
国内外における史科・資料の収集・整理の作業を通じて、以下の研究成果を発表することができた(裏面の11.研究発表(平成19年度の研究成果)[雑誌論文][図書]を参照)。すなわち、(1)「日中戦争期中国における食糧事情に関する資料調査の報告」は、南京の中国第二歴史档案館と北京の中国社会科学院近代史研究所・経済研究所図書室において行った資料調査の成果をまとめたものである。(2)「近代山東省における粉条の生産から見た中国農村経済の物質」は、山東省の特産物の1つだった粉条(春雨)の原料(緑豆)が主に東北で生産され、粉条の主要な仕向地・消費地が華中・華南・東南アジアとなっており、粉条をめぐる経済関係が広域化していたことを明らかにしたものである。(3)「なぜ食べるものがないのか-汪精衛政権下中国における食糧事情」は、日中戦争期に日本が軍隊による直接的な米・小麦の收奪を当初の期待どおりには実現することができなかったばかりでなく、それを汪は精衛政権を通じた間接的な収奪によっても実現することができなかったことを明らかにしたものである。(4)「近代中国の農村経済と食糧事情」は、近現代中国農村経済構造の特質を明らかにするために、中華民国期中国における食糧事情の全貌解明に向けてこれまで分析してきた内容を総括し、概観したものである。 また、中国(山西省太原市近郊)農村への訪問調査によって得られた結果は、「2007年12月における華北農村訪問の記録-山西省太原市近郊農村」と題して整理・文章化の作業を行っており、これまでの農村参観を通じて感得した華北農村と華中農村の異同についても「華北・華中における農村聞き取り調査-山西省中部と上海市・江蘇省南部を例として」と題してまとめる予定である。
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Research Products
(4 results)