2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530262
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
弁納 才一 Kanazawa University, 経済学経営学系, 教授 (90272939)
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Keywords | 中国 / 農村 / 中華民国期 / 経済構造 / 食糧事情 / 華中 / 華北 |
Research Abstract |
平成20年度の研究成果は、20世紀前半中国における食糧事情と農村経済の動向にかかわる資料の収集と中国農村での聞き取り調査に大別することができる。 まず、資料収集の成果を「北京大学農学院中国農村経済研究所刊行物」(本庄比佐子編『戦前期華北実態調査の目録と解題』、裏面の「11.研究発表(平成20年度の研究成果)」を参照)として整理し、さらに、1943年に緊急食糧対策調査を実施した華北綜合調査研究所(北京)による調査・刊行物についても整理中である。これらの調査報告書は、日中戦争期の華北農村経済を分析する上で貴重な資料だったが、これまで本格的には利用されなかった。 一方、華北(山西省太原市など)と華東(江蘇省太倉市など・上海市)の農村における聞き取り調査の結果をまとめたのが「華北農村訪問調査報告書(1)」「華東農村訪問調査報告書(1)」「華東農村訪問調査報告書(2)」(金沢大学経済学経営学系『経済論集』、裏面の「11.研究発表(平成20年度の研究成果)」を参照)であり、現在、2008年12月の華北農村訪問調査と2009年3月の華東農村訪問調査の結果を整理中である。これらの予備的な農村聞き取り調査は、今後の研究において、文献資料に基づく実証分析に聞き取り調査を組み込んだ研究スタイルを取っていくための準備ともなっている。 なお、資料収集を主目的として南京を訪れた際に、南京農業大学経済管理学院(院長:周応恒)との間で、今後、中国農村調査を含む近現代中国農村経済に関する共同研究を進めていくことで合意した。
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