2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本の製造業における技術力と事業モデルに関する新たな展開
Project/Area Number |
17530283
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山田 基成 名古屋大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (10158222)
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Keywords | 事業モデル / 技術力の蓄積 / イノベーション・マネジメント / 技能継承 |
Research Abstract |
本研究は製造業において、中国をはじめとする低コストを活用した途上国企業の台頭と、M&Aを利用して地球規模での事業拡大を目指す欧米企業との狭間にあって、日本企業がこれまで蓄積した技術力を活かしてモノづくりをベースにした事業成長を実現するための方策について探求することを目的としたものである。 初年度の平成17年度は、先行研究の文献サーベイを大学院生の協力を得て行うとともに、国内を中心に約30社の企業への聞き取り調査を実施し、技術力を活用した新たな事業への取り組みについての現状の理解に努めた。その結果、技術力を活用した日本のモノづくりにとって、(1)情報通信技術(ICT)の活用、(2)職人の熟練技能に代表される人間のスキルの効果的な発揮、(3)自社のコア能力をベースにした他社との連携による事業モデルの構築の3つを、カギとなる要因として析出した。 平成18年度は、上記の3つの要因の中から、(3)他社との連携を通じた新たな事業の構築に研究の焦点を絞り、とりわけ中小企業やベンチャー企業等の小さな組織が、自らの強みとする技術力を活用して、大企業を含む他組織との連携によって新たな事業を立ち上げる際のマネジメント問題について、約50社の事例分析を行った。その結果、事業化を促進する要因として、(1)連携体の核となるコア企業が、事業を推進するための戦略を構築する上でリーダーシップを発揮する。(2)連携体の参加者には、高いレベルの資源や能力を備えたメンバーを広域から集める。(3)連携を利用して、中小企業ゆえの知名度や信用力の不足をカバーする、(4)製品の開発とマーケティング活動を一体的に実施する。(5)提供する製品やサービスの卓越性のみでなく、視野を広げた事業構想を持つ、といった5つが重要であることを検出した。
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Research Products
(2 results)