2005 Fiscal Year Annual Research Report
NC工作機械における製品アーキテクチャ、戦略、組織のダイナミクス
Project/Area Number |
17530287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
柴田 友厚 香川大学, 大学院・地域マネジメント研究科, 教授 (10380205)
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Keywords | 製品アーキテクチャ / オープン化 / NC工作機械 / ものづくり |
Research Abstract |
本研究全体の目的は、現在オープン化の波に直面しているNC装置、NC工作機械のアーキテクチャの変化を明らかにするというものである。本年度は3年研究計画のうち初年度目であり、製品カタログなどの資料収集と分析、およびNC装置メーカーや工作機械メーカーへのインタビュー調査を行い、NCアーキテクチャの現状調査、各社の戦略、考え方などを調査した。(具体的には、公的研究機関として製造科学技術センター、工作機械メーカーとして東芝機械、ヤマザキ・マザック、豊田工機に対してインタビュー調査を行った。) 本年度の調査からほぼ明らかになったことは以下の2点である。まず第1に、NC装置のオープン化に関する技術仕様は既に確立されているが、実装はまだなかなか進んでおらず、各社の対応は状況に応じて、まちまちであること、たとえば、マザックは囲い込み戦略を採用しているのに対して、豊田工機は、サーボユニットに、SERCOS仕様に準じたモータを使用している。そして第2に、各社独自の戦略を採用している中でも、市販のPC機能をNCのHMI(ヒューマンインタフェース)モジュールに使用するという製品アーキテクチャが、共通して支配的になりつつあることが明らかになった。つまり、各社独自の考え方や戦略を採用してはいるが、しかしその中でも、PCとNCとの融合が進展し、それがドミナントな製品アーキテクチャになりつつあるということである。 今後はさらにインタビュー調査、および資料収集を継続し、分析を深めてゆく予定である。特に次年度は、安川・シーメンスや三菱電機などのNC専業メーカーに対するインタビュー、および森精機やオークマなどの工作機械メーカーに対するインタビューを行う予定にしている。
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