2005 Fiscal Year Annual Research Report
中小・零細規模企業における経営戦略とTQM活動の理論とその応用
Project/Area Number |
17530289
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
志村 健一 琉球大学, 法文学部, 教授 (20126650)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
与那原 建 琉球大学, 法文学部, 教授 (30182843)
牛窪 潔 琉球大学, 法文学部, 教授 (30284938)
|
Keywords | TQM活動 / 社会学習動学モデル / 相互学習モデル / エージェントベースモデル |
Research Abstract |
中小・零細規模企業におけるTQM活動の導入・展開・定着について、その実態を把握し、前回研究で我々の得た仮説を検証するなどTQM活動の理論的な検討を行い、その具体化を通してTQM指導実践上の困難を克服することを目的とする。今年度は、TQM活動の導入プロセスにおける理論的な検討を行い、その導入・推進について、前回の研究で得た我々の仮説を検証するための様々な道具立てについて、調査検討を行った。 まず前回の研究で考えたモデルの精緻化についての検討を行った。我々は改善活動の導入過程について、社会学習動学モデルを適用する事を試みているが、今回はその定常状態への収束速度について検討を行い、基本的な問題に対する考察を行った。そして、収束速度を考える場合は、基本となる方程式の形状が問題となるため、方程式の分母を省略できないことを示した。またそのことを考慮した収束速度の簡便な評価式を求めることを行い、その有効性を数値例によって示した。 また異なるモデル化の可能性についても検討を進めた。対象としたのは、Marchにより提案された相互学習モデルである。このモデルの検討を行うために、Marchの相互学習モデルを実現し、その学習の途中経過を出力するプログラムをExcelVBAにより作成した。Marchの相互学習モデルについては、不明確な点があるとして、高橋(1998)により問題点が指摘されている。そしてMarchのモデルの考え方に沿った定式化を行い、Marchの結果についての検討を行っている。我々の作成したプログラムは高橋(1998)の定式化によっている。これによりMarchの相互学習モテルの検討、及び結果の妥当性についての検討を行うことかできる。 さらに東京工業大学の21世紀CEOプログラム「エージェントベース社会システム科学の創出」に関して開発されたエージェントベースシミュレーションのためのSOARS言語について学び、その可能性について検討を行った。そして簡単なモデルについて、実際にモデルを作成することを通して、その有用性を確認した。プログラム言語は、柔軟ではあるが、プログラム開発には、習熟と時間が必要である。STELLAのような高度なシミュレーション言語では、使用は容易であるが、モデルのパタンが限られてしまう。SOARS言語は、その中間的な言語として、その可能性に期待が持て、今後、積極的に活用してゆくこととした。
|
Research Products
(2 results)