2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 保彦 青山学院大学, 経営学部, 教授 (80082733)
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Keywords | コミッション / フィー / メガエージェンシー / 広告代理店 / アカウントプランニング |
Research Abstract |
本年度は日本の広告取引の実態を中心に研究を行った。 昨年2005年、公正取引委員会は広告業界の取引実態に関する調査を行った。そして、2005年11月8日に「広告業界の取引実態に関する調査報告書」を発表した。調査の目的は、「テレビ及び新聞などの広告取引において、有力な広告会社に取引が集中する構造、取引慣行の実態を明らかにし、競争政策上の考え方を提示」「インターネット広告に関する実態を把握」である。また、調査方法は、テレビ局、新聞社、広告会社及び広告主に対するアンケート調査(計441社)及びヒアリング調査(計46社)を対象とするものであった。 調査期間中、公正取引委員会と本研究者は数回にわたり意見交換を行い、日米の広告業界の構造の違い、取引形態の実情などについて論議した。また、調査報告書が発表された後、『公正取引』2006年1月号(財団法人公正取引協会)に、「公正取引委員会『広告業界の取引実態に関する調査報告書』を読んで」を寄稿した。 本稿をまとめる際、主に広告会社、媒体社にヒアリングを行い、どのように今回の調査が受け取られたのか、情報収集を行った。また、公正取引委員会が深く入り込まなかった点、問題点についても検討した。 広告会社上位3社の取引集中の状況である。連結ベースで見ると電通の売上げは1兆9100億円を超える。つまり、日本の広告取引は3社による寡占というより、電通と「それ以外の広告会社」とに格差が広がりつつある。 日本の流通業界も暗黒大陸といわれたのと同様に、広告業界も暗黒大陸であり、これまで広告取引の実態は積極的に解き明かされてこなかった。広告取引について始めて触れた本が『広告ビジネスの構造と展開』(日本経済新聞社、1999)である。5年以上が経ち、日本の広告ビジネス、広告取引もコミッション、フィーの問題を含め大きく変化をしている。『広告ビジネスの構造と展開』を改訂する必要がある。
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Research Products
(4 results)