2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業のIT投資評価プロセスの実証研究-グローバルSCM展開の詳細分析から-
Project/Area Number |
17530335
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
溝口 周二 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (30200033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 博 高千穂大学, 商学部, 教授 (20258833)
河合 久 中央大学, 商学部, 教授 (20161268)
櫻井 康弘 高千穂大学, 商学部, 助教授 (80338615)
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Keywords | IT投資評価 / SCM導入意思決定 / SCMグローバル展開 |
Research Abstract |
平成15,16年度における科学研究費の調査で、情報システムの戦略化に対応したコスト・マネジメントの有効な手法は、源流段階(IT投資の企画段階)でのシステム運用を見通した原価企画機能を考察するべきであり、インタビュー対象企業も現実的にはこうした決定を暗黙の内に実施している。 平成17,18年度における科学研究費の調査では、特に企業提携や連携の中心部部分であり、全社経営戦略に密接に関連するグローバルなサプライ・チェーン・マネジメント(以下SCM)SCMを構築するまでの意思決定プロセスを詳細に分析し、そのなかで各種の投資評価手法がどの段階で、どの領域まで適用されているかを検証し、財務的な投資管理手法の意義と限界を明らかにする個別具体的なIT投資評価プロセスの実証研究を行った。 具体的には、(1)本社レベル調査として、財務部門には当該企業に適用されている投資評価システムについての現状調査、情報システム部門にはIT投資管理の現状システムの把握とSCMの国内導入についての具体的な意思決定プロセスを聞き取り調査した。(2)現業レベル調査として、営業/購買/製造/物流・情報システム等の各機能を担当する事業部を中心にSCM導入による成果回収の状況およびこれらに関連する現業サイドからの評価を聞き取り調査した。加えて、次回の調査に関連する亜細亜地域へのSCM投資についても現地子会社の聞き取り調査を行い、SCM投資効果と投資プロセスについて検討した。 以上の結果から結論として得られた事実を要約すると以下の通りである。(1)SCMの実施・導入状況はERPの導入が必ずしも前提ではなく、基幹システムとして独立して開発・運営されているケースも多い。(2)SCMのグローバル展開の現状は、本社のシステムに依存するが、末端での具体的な使用システムは言語、担当者の能力等により現地ERPシステムが使用されていることも多い。(3)素材型産業と組立型産業では取引業者の数、取扱い原材料の種類や数量などが圧倒的に異なるために、SCM投資とその国際的展開のプロセス、評価、導入に関する意思決定要因がそれぞれ異なる。
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Research Products
(5 results)