2006 Fiscal Year Annual Research Report
非財務的指標による戦略的価値評価システムの設計に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
17530342
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
星野 優太 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80165547)
|
Keywords | 戦略管理会計 / コンティンジェンシー理論 / 組織特性(技術・資源) / 環境適応性 / バランスト・スコアカード / 医療の会計 / 組織価値 |
Research Abstract |
戦略管理会計は単に管理のためのシステムにとどまるものではなく、戦略のために役立つものでなければならない。本研究では、企業外部のダイナミックな要素と企業内部のスタティックな要素とのインターラクティブなコントロールの概念化を図った古典的なアプローチであるコンティンジェンシー理論に着目して、それを管理会計へ援用する方法について探ってみた。 組織の有効性は構造などの組織特性とそれを取り巻く環境との適合関係に条件依存することがわかっている。すなわち、技術が変化すると、新たな調整の必要性から組織構造も変化する。つまり、分化に応じた統合のバランスが環境適応性の高い組織をつくるのである。この組織内部の分化の程度に応じて、より強度に組織を統合するメカニズムを有していることが、組織の有効性を高める条件となる トップ・マネジメントが事業の迅速かつ総合的な視点を評価できる尺度として、90年代の初頭に登場してきたのが、いわゆるバランスト・スコアカード(BSC)である。医療の会計を構築するにあたりこのBSCを導入することは、戦略管理会計の一つの有用なケースとなろう。これにコンティンジェンシーの概念を持ち込んでモデルを構築することができれば、そのBSCの因果連鎖がどのようにこれと関係しているかそれを解く鍵となろう。 組織が存続できるかどうかの重要な要素は、物的資源および人的資源を獲得し維持する能力と境界関係の管理とにある。 本研究では、新たな戦略会計の展開のために、組織のコンティンジェンシー理論の概念的枠組みを取り上げ、それを再度議論することによって、そのいくつかの含意を見いだした。その上、このコンティンジェンシー理論の考え方を医療のBSCに適用する可能性について一つの研究ケースとして提示することができた。
|
Research Products
(1 results)