2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
児嶋 隆 中央大学, 商学部, 教授 (60304292)
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Keywords | 金融検査 / 銀行監査 / 銀行会計 / 貸倒引当金 / 貸倒償却 |
Research Abstract |
1 昭和51年の公認会計士監査導入時から平成9年3月期までの銀行の貸倒れ処理および貸倒引当金を中心とした会計基準に関する大蔵省の省令、通達、ならびに公認会計士協会の委員会報告等公表物のうち、主として、平成6年から平成10年までの行政側の発出した資料を検索した。 その資料の検索は、日本債券信用銀行の証券取引法違反被告事件の東京高等裁判所控訴審の控訴趣意書、控訴趣意補充書、検察答弁書、並びに日本長期信用銀行の証券取引法違反被告事件の東京高等裁判所判決文、日本長期信用銀行損害賠償事件判決文等を糸口とした。 その資料を基に、平成6年3月期から平成10年3月期の銀行の貸倒引当金の会計基準を考察した。さらに、同領域の研究者である、阪南大学櫻田照雄氏との討議を行った。その結果、平成10年3月期の銀行の貸倒引当金の会計処理の妥当性について法的に決定することは困難であることが明らかになった。以上の研究を基に、論文作成中である。 2 足利銀行の平成15年3月期及び9月期決算における貸倒引当金について、主として衆議院財務金融委員会、参議院財務金融委員会の議事録によって、金融検査と公認会計士監査との関係を考察した。次に金融検査と監査の乖離の解消に関して、公認会計士協会のプロジェクトの内容と金融庁の反応を考察し、さらに、銀行監督当局と外部監査人との関係に関する国際的動向と比較した。 その結果、わが国では、制度上金融検査と公認会計士監査はそれぞれ独立しているが、銀行の貸倒引当金に関しては、公認会計士監査の結果は金融庁の検査によって修正されている、つまり、両者の間に乖離があるのが実態であることが明らかになった。そこで、その乖離を解消し、公認会計士監査を実効あるものとするための方策について考察した。以上に関して、一定の結論を得た。
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Research Products
(1 results)