2005 Fiscal Year Annual Research Report
内部監査人の独立性にワークショップ型CSAが与える影響分析
Project/Area Number |
17530345
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀江 正之 日本大学, 商学部, 教授 (70173630)
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Keywords | ワークショップ型CSA / 内部統制自己評価 / 内部監査人の独立性 / 日本版SOX404条対応 / 財務報告に係る内部統制 / ソフトコントロールの評価 / ビジネスリスクの評価 / ブレーンストーミング |
Research Abstract |
内部統制自己評価(Control Self Assessment)のなかでも、ワークショップ型CSAに焦点を当てて、その効果と、内部監査人がファシリテータ(推進役)となってワークショップを主導する場合の問題点(とりわけ内部監査人の独立性が侵害される可能性)に焦点を当てて研究を進めてきた。 本年度は、実際にワークショップ型CSAを活用している会社に対してヒアリング調査を行い、同時に、文献等を通じて北米企業でのワークショップ型CSAの成功事例についての情報を収集し分析した。内部監査部門が設置されているのは、そのほとんどが公開会社であり、現在、経営者による内部統制評価と外部監査への対応(いわゆる日本版SOX404条対応)、並びに新会社法における内部統制整備への対応に、CSAの適用を模索しているケースが多かった。すなわち、内部統制の経営者評価には相当な事務量が想定され、具体的に、誰がどのように評価するのかが手探りの状態にあるが、その手法にCSAの活用が注目されている。ヒアリングを通じて明らかとなったポイントは以下の通りである。 1.ワークショップ型CSAによれば、財務報告に係る内部統制だけでなく、より広く業務の有効性や効率性も含めた内部統制の評価を行うことができ、内部監査への援用に対する役立ちも認められること。 2.内部統制の評価はもちろんであるが、むしろその前提としてのビジネスリスクの評価に活用する局面にその有用性が認められること。 3.内部統制の評価のなかでも、統制環境を含めたソフトコントロールの評価に、その有用性が認められること。この局面では、ファシリテータ(内部監査人)の独立性侵害の危険性が低くなること。 4.ブレーンストーミングが使われることから、評価結果の意見集約のプロセスが効果的に行えるというメリットがあるが、その局面でファシリテータ(内部監査人)の独立性侵害の危険が高まること。
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Research Products
(3 results)