企業再編における我が国の経営者の会計方針選択行動に関する実証的研究

2005 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17530348
• Research Institution: Meijo University
• Principal Investigator: 田代 樹彦 名城大学, 経営学部, 教授 (90268061)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 石井 康彦 高千穂大学, 商学部, 助教授 (70305176) ; 中山 重穂 豊橋創造大学短期大学部, 助教授 (80331635) ; 浅野 敬志 愛知淑徳大学, ビジネス学部, 助教授 (30329833)
• Keywords: 企業再編 / 利益管理 / 会計発生高 / 会計方針 / 価値関連性

Research Abstract

本研究は、企業再編にあたって、経営者は利益管理行動を行うのか否か、またその行動が株価等にどのような影響を及ぼすのかを実証的に検証することを目的としている。
本研究では、合併、買収、株式交換、株式移転などの企業再編を行って企業を分析の対象としているため、実際の検証に用いるサンプル企業を確定する作業が非常に重要となる。そのため、平成17年度は、(1)各種データベース(レコフ、TDNet)を用いて、企業再編を行った企業を収集し、(2)その中で検証に必要な財務データや株価がデータベース(日経NEEDS財務データ、FInancial Quest等)で利用可能な企業を抽出すること、の2点に特に力点をおいて研究活動を行った。
現在は、このサンプルの中から、特に株式交換の事例を中心に分析を行ったいる。我々による先行研究において、株式交換を公表する企業は、利益管理を目的とした会計方針選択行動が行われているとの結果となったが、サンプル企業数が増えた場合にも同様の結果になるのかを再検証し、さらに、株式交換の公表に対する証券市場における株価等へ影響は生じているのか否かについて実証的な検証を行っている。
平成17年度ではデータの整備に重点を置いたために、現時点では明確な結果を得るに至っていないが、平成18年度前半において、この結果を学会等で公表することを予定している。また、株式交換以外の企業再編事例についても同様な検証を行い、来年度後期に、これらの成果をまとめて公表することを予定している。