2006 Fiscal Year Annual Research Report
16世紀・ドイツにおけるイタリア簿記の導入と、その後の展開と発展に関する研究
Project/Area Number |
17530354
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Research Institution | SEINAN GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
ひじ方 久 西南学院大学, 商学部, 教授 (40069711)
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Keywords | 複式簿記 / 借方と貸方 / 冒険貸借勘定 / 冒険売買勘定 / 損益勘定 / 資本金勘定 / 締切残高勘定 / 開始残高勘定 |
Research Abstract |
イタリア簿記がドイツに導入されたのは、世界に現存する最初の印刷本、Pacioli, L.の"Summa"が出版されてから約半世紀後の1549年。Schweicker, W.の印刷本によってである。この導入されたイタリア簿記がドイツに独自の論理で展開、発展される。そこで、(1)「帳簿記録」について、どのように記録されたのか、翻って、そのように記録されたのはなぜか、(2)「帳簿締切」について、どのように締切られたのか、翻って、そのように締切られたのはなぜか、この問題に焦点を絞って、平成17年度には、1594年に、Gosens, P.によって出版される印刷本に取り組んで、「締切残高勘定」と「開始残高勘定」が開設される史実と論理を解明した。平成18年度には、1570年に、Gamersfelder, S.によって出版される印刷本、1592年に、Sartorius, W.によって出版される印刷本に取り組んで、大航海時代の到来によって開発される特殊取引、例えば、航海の運を賭しての「冒険売買勘定」、先駆的な損害保険としての「冒険貸借勘定」が開設される史実と論理を解明した。 そうすることによって、「複式記入」の本来の意義、「損益勘定」、「資本金勘定」、「締切残高勘定」および「開始残高勘定」の果たす本来の役割、はては会計報告に果たす本来の役割について、ほぼ解明しえたのではと、確信する。
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Research Products
(5 results)