2005 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク型社会における企業の社会貢献活動の現状と課題
Project/Area Number |
17530368
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小谷 典子 (三浦 典子) 山口大学, 人文学部, 教授 (60117083)
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Keywords | 企業の社会貢献活動 / メセナ / 企業の社会的責任(CSR) / 地方都市 / NPO / ネットワーキング / ステークホルダー / 社是・社訓 |
Research Abstract |
本年度は、企業の社会貢献活動の現況に関する基礎的資料の収集を第1の目的とした。 まず第1に、日本における企業活動の歴史と現況に関する文献、および、企業の社会貢献に関する文献を集中的に収集した。 第2に、企業の社会貢献のうち芸術文化活動の支援(企業メセナ)に関して、社団法人企業メセナ協議会の活動に関する資料収集、及び、メセナ協議会傘下にある全国メセナネットワーク組織の活動から、地域社会とメセナ活動に関する概況調査を行った。具体的には、山口県と類似の活動が見られる山梨県のメセナ活動の聴き取り調査を行い、比較研究のための知見を得た。 第3は、山口県内の従業員50人以上を擁する企業に対してアンケート調査「山口県における企業の社会貢献活動に関する調査」を、郵送法で実施した。対象企業総数645のうち245社から回答を得た。督促のはがきで回収率のアップを図ったが、回収率は38%であった。このアンケート調査結果は、直ちに集計を行い、1993年に実施した類似調査結果と比較した。 この10年間に、全国的には企業の社会的責任や社会貢献活動に関する関心はきわめて高くなってきているが、山口県のような地方都市においては、企業の社会貢献活動の顕著な前進は見られなかった。しかしながら、環境問題に対する関心は強くなっており、本研究の中心的な目的である、ネットワーク型社会に向けて、企業と地域社会における他の組織や団体との活動の連携の方向性は見いだせた。 調査結果の詳細な分析は、次年度にも継続する予定であるが、本年度の調査結果の分析に関しては、17年12月に鹿児島大学で開催された、日本社会分析学会第110研究例会で「地方都市における企業の社会貢献活動の現状」として報告した。
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