2007 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク型社会における企業の社会貢献活動の現状と課題
Project/Area Number |
17530368
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小谷 典子 (三浦 典子) Yamaguchi University, 人文学部, 教授 (60117083)
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Keywords | 企業の社会貢献活動 / メセナ / 現代アート / NPO / 地方都市 / 住民の企業評価 / ネットワーキング / 愛情防府運動 |
Research Abstract |
本年度は、企業の社会貢献活動としてのメセナ活動の事例研究と、地方都市における企業の社会貢献活動に対する住民評価に関するアンケート調査を実施した。 まず、事例研究として、アサヒビールのメセナ活動の一環としてのアサヒ・アート・フェスティバル2007に参画して、群馬県・栃木県の渡良瀬渓谷鉄道沿線で開催された、WATARASE Art Priject(WAP)2007」の活動事例を調査した。 この事例は、昭和48年の足尾銅山閉山後疲弊した地域を、アートNPOが中核となって、企業がその活動を支援し、地域住民と一体となって、地域活性化を目論んだ事例である。企業・専門家集団・地域住民とのネットワーキングの試みは評価できるが、それをいかにして継続していくかについては今後の課題として残されていることが明らかとなった。 企業の社会貢献活動に対する住民評価に関するアンケート調査は、山口県防府市住民を対象に、2007年8-9月に、郵送法調査で実施した。主な調査内容は、防府市に立地している企業が中心となって展開している「愛情防府運動」活動について、住民の認知度と評価を明らかにするものである。 調査対象として抽出した534サンプルのうち、有効回収調査票数は249で、回収率は46.6であった。 調査結果からは、愛情防府運動が開始されて15年が経過していることから、企業の社会貢献活動への認知度は確実に高くなっているが、地域に対する関心や愛着度を示すコミュニティモラールと認知度は密接に関連しており、モラールの高いものほど企業活動に対する評価は良かった。企業の社会貢献活動は、住民の地域に対する活動参加を促進する方向で実施することが望ましいという示唆を得ることができた。 それぞれの調査研究から得られた成果については、日本社会分析学会と山口地域社会学会で報告を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation]2007
Author(s)
三浦 典子
Organizer
日本社会分析学会
Place of Presentation
福岡市
Year and Date
2007-12-22
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