2008 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク型社会における企業の社会貢献活動の現状と課題
Project/Area Number |
17530368
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小谷 典子 (三浦 典子) Yamaguchi University, 人文学部, 教授 (60117083)
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Keywords | 企業の社会貢献活動 / メセナ / 現代アート / アートNPO / 産業都市 / ネットワーキング / 地域活性化 / まちづくり |
Research Abstract |
20年度は、第1に、企業の社会貢献活動の一環としての、企業メセナによるまちづくりに関する事例調査を実施した。第7回「アサヒ・アート・フェスティバル2008〜アートツーリズムでいこう〜」をテーマとして、6月から9月に、全国各地のNPOや市民グループと協働して開催されたプロジェクトのうち、鐘紡洲本工場が閉鎖された兵庫県洲本市(淡路島)において開催された「淡路島アートフェスティバル2008〜おいしい淡路島art sightseeing〜」とNPO法人BEPPU PROJECTによる大分県別府市の中心市街地の遊休施設をまちと人とアートをzつなぐ場所に再生するプログラム「中心市街地リノベーション構想platform制作事業」について参与観察による活動実態調査を実施した。 第2に、日本の産業近代化を代表する産業都市岩手県釜石市と福岡県大川市において、企業の盛衰と地域社会の変貌、及び、新たな地域活性化の試みに関する資料収集と実態調査を行った。釜石市は、新日鐵という巨大企業の巨大工場が立地している産業都市で、企業に経済活動が縮小される中で地域社会が疲弊してきている。近代化産業遺産を保存し、製鉄業と農漁業を核にした体験型のグリーンツーリズムによる町おこしが企画されている。それと対照的に大川市は、木工業という藩政期からの伝統的な地場産業の企業が複数立地している。木工業は衰退気味であるが、郷土が生んだ作曲家古賀政男を核にした音楽のあるまちづくりや、民間業者主体のまちづくりが行われている。 第3に、平成17年から20年までに科学研究費に基づいて実施した調査研究を総括し、企業、行政、市民、NPO,専門家、アーティストの連携した、ネットワーク型社会の現状と課題に関する研究成果報告書を作成した。
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