2007 Fiscal Year Annual Research Report
地方分権化時代における地域的アクターおよびローカルガバナンスの可能性に関する研究
Project/Area Number |
17530370
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中西 典子 Ehime University, 教育学部, 准教授 (90284380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 茂 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10224057)
北島 健一 松山大学, 経済学部, 教授 (60214798)
清水 洋行 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50282786)
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Keywords | 地方分権 / 地城的アクター / ローカルガバナンス / 市民的公共性 / 非営利・共同組織 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続き、研究分担者である清水洋行氏の研究課題とジョイントするかたちで、英国のイーストロンドン・タワーハムレッツ区におけるパートナーシップ政策をめぐる地域団体の調査に基づく知見から、ローカルガバナンスの可能性を探っていくことを、主要な研究課題として位置づけた。したがって、本年度前半は、前年度末に実施した第1次現地踏査における地域ボランティア団体へのインタビュー内容を整理・分析し、地域(区)の輪郭を把握するとともに、第2段階の調査課題を検討するための研究会および研究打合せを数回にわたって東京都で行った。後半についても、京都市および東京都で継続的な研究会を重ね、英国のチャリティや非営利セクターの事業に詳しい国内の研究者の助言を得ながら調査ターゲットを絞り込むとともに、第2次現地踏査においてヒアリングを行う地域ボランティア団体を選定し、聴き取り項目を吟味した。現地踏査は、本年度も2月から3月にかけて実施し、官民パートナーシップ政策を地域レベルでテーマ別に実行するCommunity Plan Action Groupや、インターミーディアリー団体であるCommunity Organisation Forum、保健センターの医師、 Housing Association、社会的企業組織などを訪問し、インタビュー調査を行うとともにLocal Area Partnershipの実態を把握した。この調査の集約および分析は、次年度前半における課題となる。また、こうした調査とともに理論・政策レベルの研究を並行して進め、ポスト福祉国家(福祉社会)体制における地域的アクターの変容を、官と民および公と私の分担関係を主軸に、福祉国家発祥の英国と福祉国家の経験が浅い日本の近・現代史を紐解くなかで比較検討し、両国におけるローカルガバナンスの相異を明らかにした。この成果は、「ポスト福祉国家の公私分担をめぐる比較社会学」と題した論文として『地域創成研究年報』(愛媛大学)に掲載される予定である。
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