2005 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル時代における世界諸地域の国際協力と文化社会変動-福祉とNGOに注目して
Project/Area Number |
17530389
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
加納 弘勝 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20214497)
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Keywords | グローバル社会 / 文化社会変動 / 宗教NGO / 福祉サービス / エジプトのNGO / イスラムPVO / ガーナのイスラム組織 / クルドの文化運動 |
Research Abstract |
世界諸地域、すなわち、中東地域、アフリカ地域、ラテンアメリカ地域、アジア地域を対象に、4つの項目に注目して検討している。(1)医療・福祉・社会サービスの供給、(2)自文化・伝統の主張の試みとNGO活動、(3)社会文化変動をもたらす要因検出、(4)世界諸地域の関連映像データの4項目である。 (1)医療・福祉・社会サービスの供給に関しては、エジプトにおけるイスラムPVO(Private Voluntary Organization)が医療サービス供給に果たす役割などを検討した。エジプトの事例という一国研究でなく、世界諸地域における、関連NGOの活動の質と量を検討するための枠組みにも注目し、『社会学評論』において比較のための枠組みを示した。(2)自文化・伝統の主張に関しては、トルコのクルド地域に90年代後半に認められる、新しい文化運動として、クルド言語の尊重、成人向けのクルド言語教育を挙げ、活動を支える文化センターの存在などに注目した。また、アフリカ地域のガーナではイスラム組織が活発に活動しており、神秘主義教団の一つティジャーニ教団が教育・医療などのサービスを提供し、大きな力をもっている。首都アクラにおけるイスラム教徒コミュニティの事例から、ガーナにおけるイスラムの持つ意味の一端を確認した。 (3)文化社会変動をもたらす主要な要因に関し、福祉サービスの提供に関わる90年代の動向を検討している。(4)映像データの収集・整理に関しては、ベトナム北部の少数民族に関して、開発とエスニック・マイノリティ、また、ガーナ・マリのイスラム地域イメージを伝える映像データを収集し、映像データと文字データの関連づけて学生に提示し、映像データの有効性に注目した。
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Research Products
(1 results)