2007 Fiscal Year Annual Research Report
ライフストーリー論からみる1950年代の生活記録運動とリテラシー変容の経験的研究
Project/Area Number |
17530391
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
小林 多寿子 Japan Women's University, 人間社会学部, 教授 (50198793)
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Keywords | ライフストーリー / 生活記録運動 / リテラシー / 質的研究 / 書く実践 / 文章運動 / 自己の構築 |
Research Abstract |
本年度の研究は,一年めの生活記録運動の実態調査,二年めの調査結果分析と文章運動の系譜のなかでの検討を受けて,とくに生活記録運動全体の実態把握と生活記録作品の収集,生活記録の書き手や関係者へのインタビュー調査を主な調査内容として実施した。また,これまでの調査結果をもとにインタビュー補足調査を継続しておこない,作品分析と文章運動の系譜のなかでの生活記録運動の意味の考察に取り組んできた。さらにアメリカでの実態を比較調査と国際社会学会リサーチコッミティでの報告をおこない,研究のまとめに資する理論的な観点を得た。具体的な研究経過は以下のとおりである。(1)インタビュー調査-1950年代に生活記録運動に関わった関係者にインタビューを実施。とくに長野県と長崎県において当時の生活記録運動のキーパーソンにインタビューをおこなった。(2)ライフストーリー論からみるインタビュー結果と生活記録作品の検討と生活記録にあらわされた個人的経験の分析。(3)文章運動の系譜の検討-調査の成果をもとに「ふだん記」運動等の文章運動の系譜で生活記録運動の意味とリテラシーの社会的歴史的状況を考察.(4)比較のための海外調査-日本の特徴を検討するためにアメリカ合衆国の状況を視察し,インタビューを実施。(5)成果報告-2007年12月にドイツ・ゲッティンゲン大学でおこなわれた国際社会学会リサーチコミティ38「伝記と社会」部会で研究成果の一部を報告し,伝記的方法やライフストーリー論に関わる社会学者との議論を交わした。(6)報告書の執筆。総まとめにおける全体的考察では,先行研究もふまえて生活記録運動の調査研究をもとに戦後日本における文章運動がどのような特徴をもつものであったのか,そして私たちのリテラシーにどのような影響をあたえ,変容していったのかを総括的に検討した。
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Research Products
(4 results)