2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17530392
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
橋本 健二 Musashi University, 社会学部, 教授 (40192695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 香 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (10313355)
木本 喜美子 一橋大学, 社会学研究科, 教授 (50127651)
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Keywords | 女性労働 / 階級・社会階層 / 就業構造 / ライフコース / 労働力供給 / 農民層分解 |
Research Abstract |
1.郡山女子高等学校(現郡山東高等学校)卒業生調査のデータ分析から,以下の事実が明らかになった。(1)地域間移動と階級間移動の間には密接な関連があり,地域間の移動を経験した女性は労働者階級に,経験しなかった女性は新中間階級・旧中間階級に所属する傾向が強い。(2)移動のこうした構造は出身階級とも関係があり,新中間階級および自営業者層の出身者は,それぞれ出身地で出身階級と同一階級に,また労働者階級・農民層の出身者は地域間移動して労働者階級に所属する傾向が強い。(3)初職時点の階級所属は女性のライフコースを規定しており,新中間階級は一貫就業,労働者階級では結婚後再就職,旧中間階級では一貫就業または結婚時転職が多い。以上の事実は,従来から行なわれてきた全国レベルの調査データの分析では,各種の撹乱要因のため必ずしも明確に示されないが,地域・学校の特性がコントロールされた今回の調査では明確に示すことができた。 2.1965年SSM調査原票の再コーディングによって得られた,女性を含む家族全員に関するデータを集計し,データクリーニングの上で基礎的な分析と,1955年から2005年までのSSM調査データの分析結果との照合を行なった。以上から,本データが世帯の就業構造と女性の就業動向について,前例のない画期的な研究を可能にするものであることが明らかになった。 1.の成果については研究成果報告書にまとめた。2.については,世代間移動の基礎的分析について学術雑誌論文として公表したほか,さらに分析を継続中である。
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Research Products
(2 results)