2007 Fiscal Year Annual Research Report
離島における記憶の伝承と日韓海上交流史-壱岐朝鮮人海難事故をめぐって-
Project/Area Number |
17530406
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Research Institution | Nagasaki Wesleyan University |
Principal Investigator |
亘 明志 Nagasaki Wesleyan University, 現代社会学部, 教授 (60158681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 哲郎 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (50264982)
小林 知子 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (10325433)
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Keywords | 壱岐 / 記憶 / 語り / 朝鮮人海難事故 / 遺骨問題 / 戦後補償 / 強制動員 / 日韓外交史 |
Research Abstract |
平成19年度は,本研究のテーマである壱岐における海難事故の遺骨問題を,強制動員犠牲者の遺骨問題との関連を調査した。 平成17年に強制動員真相究明ネットワークが立ち上げられ,日韓の間で懸案になっている遺骨問題に関する調査が進行しつつある。本件研究テーマにおいてもこの遺骨問題との関係を詳しく検討する必要が生じてきた。というのは,壱岐における終戦直後の朝鮮への帰還船の海難事故について,広島の被爆徴用工の帰還船であったということを前提にして25年ほど前に大掛かりな調査が行われたという経緯があったからである。私たちの調査では,以前の調査が前提にしていた徴用工の帰還船ではないということは確認できたが,では壱岐における海難事故に遭遇したのはどのような人たちであったのだろうかまた,終戦時に朝鮮に帰還しようとした人たちはどのような人たちであったのか,そして日本で死亡した朝鮮人たちの遺骨はどの程度遺族に返還され,どの程度日本に残っているのか,それらについて確かなことはまだわかっていない。 平成19年度は,岐阜県三井鉱山神岡興業所の犠牲者の遺骨調査(遺骨問題全国連絡会)に参加した。この調査から判明したことは強制動員期の死亡者の遺骨はすでに返還されている場合が多いということである。 壱岐では,本件海難事故の供養祭が壱岐の天徳寺において開催された。また,壱岐にはいまだ海難事故の遺骨が残されている可能性があることも示唆され,その調査は今後の課題となった。これらのフィールド調査と並行して,日韓外交史に見られる遺骨問題への両国の対応を外交関係資料から調査した。
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Research Products
(2 results)