2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者虐待に対するネットワークアプローチ-組織間協働に関する研究-
Project/Area Number |
17530421
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
副田 あけみ 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (60154697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 清子 関東学院大学, 文学部, 教授 (30097472)
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Keywords | 高齢者虐待 / 虐待予防ネットワーク / ネットワークミーティング |
Research Abstract |
当初、A:高齢者虐待防止ネットワークの現状に関する半構造化法によるヒアリング、B:ネットワークによる虐待事例介入経過の情報収集、C:モデル事例をもとにした介入計画作成の試みをの地域で実施する計画を立てていた。しかし、都下の2箇所の自治体で行った予備調査において、高齢者虐待防止ネットワークが公式に形成されているところではAについて、未形成のところではBについて実施するだけで2時間〜2時間半かかることがわかった。また、Cは、初期アセスメントと初期対応に関して型どおりの回答しか得にくく、との方法はネットワークの機能状況を確認するのに適切とはいえないことが判明した。調査協力者はみな多忙で何度も協力を得ることは困難であるため、Aを中心に実施することにし、防止ネットワーク研究で先行する児童虐待防止ネットワーク研究のレビュー結果を踏まえて、I公式ネットワークの存在の有無とその具体的内容、II事務局体制、IIIネットワークミーティングの実情と問題点・課題、IVマニュアルやアセスメントツールなどの活用、V研修体制、等を質問項目として設定した。 6つの自治体におけるヒアリング調査で明らかになった条件としては、(1)行政が事務局であることを鮮明に打ち出す、(2)通報窓口の明確化、(3)対応の流れのモデル化、(4)行政内部の理解の徹底、(5)行政内部に福祉に理解がありリーダーシップを取れる人の存在、(6)基幹型在宅介護支援センターとして実績をもっている部署が中心になる、(7)事務局職員の迅速対応、などがある。調査協力自治体を増やし、さらに条件を確認するとともに、これらの条件を規定する要因を明らかにする必要がある。
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