2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者虐待に対するネットワークアプローチ-組織間協働に関する研究-
Project/Area Number |
17530421
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
副田 あけみ 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (60154697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 清子 関東学院大学, 文学部, 教授 (30097472)
小川 孔美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (80363787)
梶川 義人 非特定営利活動法人日本高齢者虐待防止センター, 事務局長
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Keywords | 高齢者虐待 / ネットワーク / 防止ネットワーク / 組織間協働 |
Research Abstract |
1.目的 高齢者防止ネットワークのうち、関係機関の実務者から成る保健医療福祉介入サービスネットワークが効果的に機能する条件を明らかにする。 2.方法 「防止ネットワークが機能している状態の5つの指標」のどれかに該当する、自治体10か所(公式のネットワークのある自治体6か所、非公式のネットワークのある自治体4か所)を対象として、複数の関係者に対する面接調査や文献収集を実施。先行研究のレビューにより抽出した13項目の確認と、他の条件を探索するという半構造化方法で面接を行った。収集したデータをもとに調査担当者間で意見交換し、条件の確認・抽出した。 3.結果と考察 事務局の役割や事務局と関係機関との関係性等から、公式ネットワークは3つのタイプに、非公式ネットワークは2つのタイプに分類することができた。機能する条件としては、先行研究から求めた13の条件の他に、あらたに5つの条件(うち2つはシステム整備に関する条件、3つは事務局職員の質に関連する条件)を確認することができた。このうち、「事務局職員の能力」(事務局職員の虐待対応の専門的知識、ケースワーク能力、協働のスキル等)と、「事務局職員のネットワーク意識」(関係機関が連携・協働して対応していくべきという事務局職員の認識)は、公式ネットワークのある自治体でも、非公式ネットワークの自治体でも重視されていた。公式ネットワークのある自治体では、タイプによってシステム整備に関する条件に多少の違いがみられた。 今後、自治体直営の地域包括支援センターが事務局となる揚合でも、民間法人に委託したセンターが事務局となる場合でも、システム整備の条件を確実に満たしたうえで、職員の質に関連する条件をいかに充実させていくかが重要になってくると考えられる。
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Research Products
(1 results)