2007 Fiscal Year Annual Research Report
ホームレス自立支援事業における小規模型支援施設のあり方・援助に関する研究
Project/Area Number |
17530444
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
加美 嘉史 Osaka University of Health and Sport Sciences, 健康福祉学部, 講師 (20340474)
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Keywords | 社会福祉関係 / ホームレス / 自立支援 / 貧困 / 就労支援 / 社会的孤立 / 社会的包摂 |
Research Abstract |
平成19年度は本研究課題の最終年度であり、これまでの本研究の総括とまとめを中心に取り組んだ。まずホームレス自立支援事業における小規模型支援施設の現状と課題を総括するため、京都市自立支援センターおよび仙台市・清流ホームなどの小規模型支援施設でインタビュー調査を実施した。これらの小規模型センターでは、センター退所後の生活支援を含めて、ひとり一人の入所者と深い関係性を築くことを目指して、個々の生活課題を把握に努め、ひとり一人と向き合った、きめ細かな援助が試みられている。このように小規模施設の特徴を生かし、密度の濃い支援が試みられているが、小規模型施設では、通常型センターと比較して職員体制が脆弱である問題など、継続的な援助を行ううえで施設の基盤が不安定な現状も明らかとなった。平成19年度は国内での調査研究に加え、韓国で現地訪問調査を実施した。韓国は1997年のIMF経済危機以降、失業者・不安定雇用の増加に伴い、ワーキング・プアやホームレス者が増加している。今年度はソウル市のホームレス支援の中核的存在である「タシソギセンター」と、ホームレス状態にある青少年らを保護・支援する「江南区青少年センター」を訪問した。韓国でもホームレス者の若年化と高齢化という二極化が進んでおり、ワークフェア政策として「自活事業」を通して、いかに就労に結びつけていくかが大きな課題となっている。そうしたなか、タシソギセンターなどの自立支援施設では、ホームレスの人々の自尊感の回復と獲得を重要な支援課題と位置づけ、経済的支援だけでなく、多様な支援プログラムが試みられており、示唆に富んだ内容であった。
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Research Products
(3 results)