2005 Fiscal Year Annual Research Report
看護業務におけるリスク回避教育プログラムの開発とその効果測定
Project/Area Number |
17530450
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
臼井 伸之介 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (00193871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太刀掛 俊之 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 助手 (90379222)
和田 一成 平安女学院大学, 短期大学部, 講師 (50413331)
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Keywords | ヒューマンファクター / ヒューマンエラー / 看護 / 医療事故 / 安全教育 / リスク / 事故防止 / 教育プログラム |
Research Abstract |
問題:研究の第一段階として、看護業務における安全教育や安全活動の現状を把握するため、看護職員の安全教育・安全意識の実態解明を目的とした質問紙調査を実施した。 方法:京都府内の3つの病院に勤務する看護師、准看護師651名(非常勤雇用者を含む)を対象として調査を実施した。なお回答者の匿名性の確保には十分留意した。 質問紙:質問紙は「安全活動に関する調査」「日常場面での安全行動に関する調査」「看護場面での安全行動に関する調査」「インシデント発生の要因に関する調査」「フェースシート」の計100の質問項目で構成された。 結果: 安全活動に関する質問項目に関して、「看護学校での安全教育経験の有無」では、経験1年未満群は71.0%、1-3年群は65.1%が「経験あり」と答えているが、4-6年群では40.8%と低下し、この段階を境に経験ありとする回答が有意に減少した(p<.01)。横浜市立大学病院患者誤認事故が1999年1月に発生しており、今回の調査実施年月を考慮すると、この事故が看護学校での安全教育の導入の契機になったとも言える。インシデント報告制度に関する意識(積極的に提出するか、提出が事故防止に役立つと思うかなど4項目の問に7件法で回答を求める)や安全教育に関する意識(卒後の安全教育は必要と思うか、安全教育によって安全意識は向上すると思うか、安全教育は業務に役立つと思うかなど5項目の問に7件法で回答を求める)についての評定値結果は、いずれの項目も経験1年未満から経験4-6年まで得点が低下し(値が低いほど安全意識は低いことを仮定している)、以後上昇するというゆるやかなU字形を示した。 まとめ:統計的には必ずしも全ての項目で有意ではないが、経験4-6年群において安全への意識が最も低くなっており、経験4-6年が1つのターニングポイントになっていることが示唆された。今後はさらなる縦断的調査の実施と、今回安全に関わる意識や行動に問題が多いとされた経験4-6年の看護師への安全教育の実施およびその有効性評価が課題である。
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Research Products
(7 results)